キャスティングの飛距離を重視するアングラーの多くが愛用するリールとなるのがアンタレス DCであり、数あるトップクラスのキャスティング飛距離を叩き出すことができるリールです。
現行のアンタレスDCは2021年に登場したモデルであり、前作の2016年モデルから5年の歳月を得てフルモデルチェンジが行われています。
そんな’21アンタレス DCの特徴を旧モデル、旧モデルである16アンタレス DCとの比較を交えながらご紹介します。
アンタレスとは

アンタレスは、シマノの最高峰ベイトリールに位置するモデルです。
初代アンタレスがリリースされたのは1998年であり、現在まで様々な改良が加えられ、圧倒的なキャスティング性能とシルキーな巻き心地をを実現してきました。
登場から改良が重ねられるに従い、様々な釣り方に対応数ことができるようにアンタレスも細分化されてきてきています。
現在はシマノの遠心ブレーキタイプが搭載されている’19 アンタレスとDCブレーキが搭載されている’21 アンタレス DC、そして、バス以外の大型魚にも対応することができる ’23 アンタレス DCMDの3つラインナップされています。
’21 アンタレス DCのスペック
ブレーキシステム | 4×8 DC |
スプール | MGLⅢ |
スプール径(mm) | 37mm |
スプール幅(mm) | 19mm |
糸巻き量(lb-m) | 12-130,14-110,16-100,20-80 |
重量(g) | 220g |
ベアリング数BB/ローラ― | 11/1 |
最大ドラグ力(kg) | 5kg |
ギア比 | ノーマル_5.6/ハイギア_7.4/エクストラハイギア_7.8 |
ハンドル長さ(mm) | 42mm / エクストラハイギアのみ45mm |
’21 アンタレス DCの特徴
- MGLスプールⅢの搭載
- 改良された4×8のDCブレーキ
- ソルトウォーター対応
MGLスプールⅢの搭載
’21 アンタレス DCが持つ最大の特徴と言えるのが、MGLスプールⅢの搭載です。
スプールが薄肉化&横幅の狭いナロー形状を持つMGLスプールⅢが搭載されているので、キャスティング時のスプール回転の立ち上がりが速く、キャスト後半も失速しにくい特徴を持っています。
シマノの最新型リールの多くには、このMGLスプールⅢが積極的に導入されており、キャストポテンシャルを底上げすることができるようになっています。
改良されたDCブレーキ

’21アンタレス DCに搭載されているブレーキは4×8 DCが搭載されており、合計で32段階の調整を行うことができるようになっています。
これまでのアンタレス DCにも4×8 DCは搭載されていましたが、今までのDCブレーキよりも緻密なブレーキ制御を行うことができるプログラムが搭載されています。
今まで搭載されてきていたDCブレーキより常に最適なブレーキを発揮することができるようになっているので、バックラッシュのリスクが少ない状態で伸びのあるロングキャストを行うことができるようになっています。
ソルトウォーター対応

’21アンタレス DCの前モデルである’16アンタレス DCは淡水専用モデルとしてリリースされていましたが、’21 アンタレス DCはソルトウォーター対応となっています。
耐腐食性能が高い特徴を持っているので、バス釣り以外でもガンガン使用することが可能です。
’21 アンタレスの使用感
飛距離

申し分なく、伸びのあるロングキャストを行うことが可能です。
’21アンタレス DCは、高い飛距離を出すことができることに加えて、緻密なブレーキ調整を行うことができるDCブレーキが搭載されているので、バックラッシュが少なく、あらゆる場面でロングキャストを行うことができるようになっています。
最も気持ちよくスプールを回転させることができるのは、14g以上の重量であり、10gを下回る軽量なルアーを使用すると、MGLスプールⅢが搭載されていてもスプール回転の初速を得にくく、伸びのあるキャスティングは体感しにくくなります。
巻き心地
’21 アンタレス DCの巻き心地はシマノの中でもトップクラスの実力を持っています。
これまでのアンタレスよりもハンドル軸部分にベアリングが追加されており、マイクロモジュールギアとXシップの搭載により非常にシルキーな巻き心地を発揮することができるようになっています。
ヌメヌメとした巻き心地はシマノのベイトリールが持っている特徴であり、’21アンタレスで更に磨きがかけられています。
パーミングのしやすさ

’21 アンタレス DCは、37mmの大口径スプールが搭載されている大型のリールに部類されます。
’21 アンタレス DCには、左右非対称なデザインが採用されており、パーミング性能は向上していますが、他のロープロファイル型のリールと比べると、パーミング性能は高くありません。
相性の良いロッド
MHクラス以上のロッド
’21アンタレス DCがに搭載されている37mmの大口径スプールの性能を最大限発揮するには、重量のお重たいルアーを使用し、スプール回転の初速を稼ぎ出すことが重要となります。
7g程度の軽量なルアーでもキャスティングすることは可能ですが、大口径スプールの持ち味を引き出しにくく、14g以上重量となると、伸びのあるキャスティングを感じることができるようになります。
14g以上のルアーをメインで使用する場合は、ミディアムやミディアムハードクラス以上のパワーを持っているロッドを選び出すとよいでしょう。
ロングレングスロッド
アンタレスの特徴であるロングキャストを活かすのであれば、ロングキャストを行うことができるロッドを選択することが賢明です。
短くてもバーサタイルレングスとして知られている6フィート6インチクラス以上のロッドを選択すると、アンタレス DCが持つロングキャスト性能を活かすことができるようになります。
ショートロッドでもアンタレス DCが持つ性能の高さを感じることは可能ですが、ロングキャスト性の苦を発揮するにはロングロッドを使用するほうがおすすめです。
巻物系ロッド
アンタレス DCの重量は220gであり、200gを下回るリールが多くなってきている中で、若干重ためなリールとなっています。
重量が重たいので、巻物ルアーを使用した時にしっかりとロッドをホールドとして安定した巻きを実現することができるようになります。
アンタレス DCの巻き心地はシマノの中でもトップクラスに滑らかとなっているので、巻き抵抗が多少大きなルアーでもあっても軽快に使用することが可能です。
前作’16アンタレスとの違い
トラブルレス性能が向上

’21アンタレスの前作に当たる’16アンタレスと比較をすると、’21アンタレス DCは圧倒的にトラブルレス性能を向上されています。
’16アンタレス DCは、僅かな向かい風や追い風などの環境変化に応じてブレーキを調整する必要がありましたが’21アンタレス DCは多少の環境変化であればブレーキを自動で調整し、バックラッシュ気味に浮いてしまったラインを収束させることができるようになっています。
スピナーベイトやバズベイトなどの空気抵抗が大きいルアーを使用した場合でも、バックラッシュしにくく安定して使用することができるようになっています。
Xモードが使える
アンタレス DCの遠投モードとして知られているXモードの使いやすさがUpしています。
’16アンタレスのブレーキはDC ブレーキの中でもピーキーなセッティングが行われており、X モードは一部のアングラーのみが使いこなせるモードであり、キャスティングに自信がないアングラーが使用すると第バックラッシュが発生してしまい、釣りができなくなってしまう事も少なくありませんでした。
’21 アンタレスは’16 アンタレスよりもブレーキ制御が緻密にできるようになっており、更にマイルドなブレーキプログラムが施されているので、多くのアングラーが Xモードを使いこなすことができるようになっています。
巻き心地が上昇
’16 アンタレスよりも’21 アンタレスはベアリング数が増加しており、更にシルキーな巻き心地となっています。
’16 アンタレスでも巻き心地は非常に良いのですが、’21 アンタレスは更にシルキーさが上昇しており、シマノらしい巻き心地を堪能することができるようになっています。
まとめ
’21アンタレス DCは、今までのアンタレス DCよりもピーキーさがなくなってきており、誰でも扱いやすい遠投マシンになってきています。
これまでアンタレス DCを敬遠していた方でも扱いやすくなっているので、手に取ってその高い性能を堪能してみてくださいね。